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【大前研一 大前研一のニュース時評】偽造防止?財務省、紙幣一新の“隠れた意図” 前回の発表は流通開始の2年前にしたが、今回は… (1/3ページ)

 2024年度上半期に紙幣が一新される。財務省は紙幣刷新の理由を偽造防止と言っているが、これは違うと思う。中国の100元紙幣は、どのくらい偽造されているのかすらわからない、という状況なのに対し、日本では偽造がほとんどない。中国でキャッシュレス化が拡大しているのは、自国の紙幣を信用していないからだ。そういう点から考えても、偽造防止が目的ではないハズだ。

 新元号のお祝いムードで勢いに乗っているときに、さらに新紙幣の発表で、予想される衆参ダブル選が有利に運ぶよう相乗効果を狙ったこともあるだろう。

 また、50兆円もあるとされるタンス預金を表に引き出そうという狙いがあるともいわれる。しかし、これはあまり意味がない。タンス預金が出てきたところで、0・1%も金利がつかない。表に出すメリットがない。新紙幣を発行しても「古い紙幣は何年間かは使えますよ」となれば、急いで使おうというお人よしもいないだろう。

 財務省の紙幣一新の目的は、別のところにありそうだ。前回の04年の新紙幣刷新は流通開始の2年前に発表したが、今回は5年前に発表している。裏で何か考えているのではないか。

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