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【高橋洋一 日本の解き方】トランプ氏来日で重要課題は…強固な日米関係示す「絵」 貿易交渉の本格化はまだ先 (2/2ページ)

 このままでは中国経済はボロ負けだ。といって、米国が中国に要求する産業補助金等の撤廃は、一党独裁の共産主義を根底から覆しかねないものなので出口が見えない。習主席は、安倍首相がトランプ大統領の機嫌を直してくれるなら、頼みたいほどではないか。

 米国第一主義を批判する一方で、当面の米国との修復策を模索するのが外交だ。その時、トランプ大統領へのパイプ役として安倍首相の存在は大きい。

 15日には、イランのザリフ外相が急きょ来日し安倍首相との面会を求めた。イランは米国と抜き差しならない関係になっているので、藁をもすがる気持ちで、日本に仲介役を担ってもらいたいところだろう。

 日米の強固な関係を国際社会に見せつけるうえで必要なのは、首脳会談ではなく、令和初の国賓であること、ゴルフ、相撲観戦や護衛艦乗艦といったテレビ映りのいい「絵」だ。

 首脳会談にはつきものの共同声明も今回は見送られる可能性がある。これをマスコミは、貿易交渉が困難だからと説明しているが、やや疑問だ。

 日米の懸案は自動車関税であるが、これは米欧間の懸案でもある。もともと自動車は代替可能性が低いので、関税をかけると米国内の価格が上がり、米国民が損をこうむる恐れがある。

 トランプ大統領はこの状況を見極めているのだろう。安倍首相も米国の事情を分かっているので、日米貿易問題を先送りしてきた。そうした意味で、今回のトランプ大統領の訪日、天皇陛下への謁見も重要な意味を持つ。交渉は困難というより、まだ実質スタートしていない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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