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【勝負師たちの系譜】女性棋士誕生の可能性 「奨励会」以外のもう一つの道 (2/2ページ)

 ではどちらのコースが可能性は高いかだが、三段リーグは相当容易でないと私は思っている。本欄でも以前書いたが、男性の奨励会員は26歳までに昇段できなければ、将棋界で生きていく道がないからだ。

 従って三段リーグではどんなに負け越しても、無気力将棋はない。次の1勝が来期、順位の差で自分の人生を変えるかも知れないからだ。

 その点、棋士相手の公式戦は、相手が負けても「女流に負けちゃったよ」程度で終わる可能性が高い。

 現に里見は、奨励会を退会し、女流として公式戦に復帰してからは、互角以上の成績を残していて、直近は9勝5敗。試験資格を得るまであと1勝のところに来ているほどの実力を備えている。

 里見が挑戦するかどうかはわからないが、西山の三段リーグ挑戦とともに、期待する人は多い。

 どちらにせよ女性の四段が実現すれば、大変な話題となることは間違いない。

 ■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。

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