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【大前研一 大前研一のニュース時評】中国本土で「嫌香港」拡大 「自分たちはデモをしたらすぐに捕まるのに」香港に対するジェラシーも (2/2ページ)

 しかし、中国政府はこれを守らず、行政長官選挙制度導入を17年まで遅らせたうえ、民主派の立候補を事実上認めない条件を突きつけた。香港の若者たちが行政長官選挙制度の民主化を要求した14年の大規模デモ「雨傘運動」が香港警察に強制撤去されて以降、議会選挙にも民主運動をしていた人は立候補できなくなった。

 さらに、中国政府を批判する人は、中国旅行をしている間に身柄を拘束された。民主社会ではありえない弾圧が相次ぎ起きた。

 中国は台湾に対しても「1国2制度を重視する」と言っている。しかし、台湾は「もし中国に近づくと、いずれ香港と同じ状況になる」と懐疑的だ。

 だいたい、中国の主張する「1国」は「やがて台湾を統一して1つの中国にする」ということ。一方、台湾の「1国」はかつて蒋介石が言っていたように、「中国本土を中国共産党から取り戻して1つの中国にすること」だ。想定している「1国」がまったく違う。

 いずれにしろ、中国の観光客は香港にも台湾にも行かなくなった。この夏、中国の台湾向け観光窓口機関が、中国大陸から台湾に向かう個人旅行の許可業務を一時停止した。

 08年に中国に近い国民党の馬英九政権が誕生したのをきっかけに、大陸から台湾への団体の観光旅行が全面解禁され、11年には北京や上海など一部都市からの個人旅行も解禁されていたのに、昔に戻ってしまった。さらに、香港への観光客も激減している。

 これにより、漁夫の利を得ているのが日本やタイ、シンガポールだ。中国の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休(10月1~7日)で、中国本土からの渡航先で日本が1位となった。2年連続でトップ。2位はシンガポールだった。ビザ申請件数は昨年比で2割増加している。日中関係が正常化すれば今後も大幅に増えるだろう。

 ※ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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