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【高橋洋一 日本の解き方】今こそ「基礎研究」に投資せよ! マイナス金利下で国債発行…“人とカネ”増やすチャンスだ (1/2ページ)

 今年のノーベル化学賞が吉野彰・旭化成名誉フェローに決まった。日本人が自然科学分野でノーベル賞を受賞したのは2年連続だが、今後の基礎研究分野については人材や費用の面で不安の声が聞かれる。人とカネをなぜ増やすことができないのか、増やすにはどうすればいいのか。

 今は、基礎研究への人とカネの投入について、限りある財源という理由で「選択と集中」が大事だといわれている。だがそもそも官僚が研究資金について「選択と集中」できるというのはハッキリ言えばウソである。官僚に限らず、誰もそんなことはできない。

 つまり、どのような方向で研究したらいいかも分からないというのが偽らざるを得ないところだ。このため、基礎研究では、結果として官僚の嫌う「無駄」が多い。というか、いわば「1000に3つ」しか当たらないので、極端な言い方だが、ほとんどは「無駄」の研究ばかりなのだ。

 しかし、「3つ」の社会的な便益は極めて大きく、「997」の「無駄」のデメリットを補って余りある。基礎研究は、きわめて「打率の低い投資」であるが、社会的にはやらなければいけないものだ。「知識に投資することは、常に最大の利益をもたらす」というベンジャミン・フランクリンの名言もある。

 この感覚は、自然科学を勉強、研究した人なら共感できるだろう。しかし、多くの文系官僚には理解できないようだ。

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