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【高橋洋一 日本の解き方】ノーベル経済学賞、日本人が受賞できないワケは… 経済学の成果を社会が取り入れず (1/2ページ)

 今年のノーベル経済学賞に、米ハーバード大のマイケル・クレマー教授、インド出身で米マサチューセッツ工科大(MIT)のアビジット・バナジー教授、フランス出身で同大のエスター・デュフロ教授の3氏が決まった。貧困削減への取り組みが評価されたと報じられているが、具体的にはどのような研究を行ったのか。

 インド出身のバナジー氏はアジアからの同賞受賞者としては1998年のアマルティア・セン氏に続き2人目。デュフロ氏は46歳で史上最年少受賞であるとともに、バナジー氏と夫婦で同時受賞となる。

 今回受賞の3氏は、貧困問題の解決に、「ランダム対照試験」という社会実験手法を持ち込んだことだ。それは、バナジー氏とデュフロ氏の共著『貧乏人の経済学』に書かれている。

 これまで貧困問題を解決するために、さまざまな資金や物資を支援したりされたりしてきた。そこでは貧困に対する先入観は役に立たず、「ランダム対照試験」を使って、貧困問題に対する施策を実施する場合と、しない場合の社会経済的な影響を比較し、貧しい人々の行動原理を分析する必要があると主張する。

 「ランダム対照試験」とは研究の対象者を、「ランダムに介入を行うもの」と「異なるもの」の2グループとし、一定期間後に両者に生じた結果を比較する手法だ。この手法は医薬品では約70年前から用いられてきており、それが経済学にも応用された。

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