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【高橋洋一 日本の解き方】河川管理は“国家百年の計” 全国でやるのが「政府の責務」で「歴史的低金利」を活用すべきだ (2/2ページ)

 それ以前には、川岸に簡単に降りることができたが、拡幅・深掘工事の後はできなくなった。それでも、76年9月の台風17号では近くの町が石神井川の氾濫で被害を受けた。そこで改修工事が行われてからは、2010年に下流で溢水(いっすい)があったものの大きな氾濫はないと思う。

 最近では、1991年から「白子川地下調節池事業」及び「石神井川緊急取水事業」の工事が始められ、2017年から調節池が運用されている。これで、より石神井川の制御ができるようになっている。これらのおかげで氾濫被害を免れているのだが、これを民間で行うことは不可能だ。

 それでも、東京は公共事業に関して恵まれているといえる。河川管理は「国家百年の計」で、全国でもやるべきだが、民間ではなく、もちろん政府の責務だ。

 ただ、河川管理などの公共事業では社会的なベネフィット(便益)がコスト(費用)を上回っているという採択基準がある。そこで、ベネフィットもコストも将来見通しを現在価値化するために割引率を使うが、現時点では4%とすることが多い。

 しかし、本来は期間に応じた市場金利を使うべきものだ。今の市場金利は15年くらいまでマイナスだ。それをそのまま使うと、ほとんどの事業で採択基準はクリアし、費用対効果は問題ない。マイナス金利という歴史上まれな好環境を後世のために生かそう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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