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【高橋洋一 日本の解き方】過去最低GDPより“実態”は深刻…中国経済は悪くなっている 米中貿易戦争直撃で輸入減続く (1/2ページ)

 中国の今年7~9月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比6・0%増となり、伸び率が過去最低を更新した。今回の統計の背景や、米中貿易戦争の影響はどうか。

 筆者は『中国GDPの大嘘』(講談社)という著書で、中国の国家統計局は旧ソ連の統計組織を模して作られたことを指摘している。そして、旧ソ連の統計は70年間もごまかされ、その崩壊でやっと明るみに出たことを明らかにしている。その他の状況証拠から、中国のGDP統計にも疑惑があるとの懸念を示した。

 中国のGDP統計の疑惑は、筆者以外の多くの人が指摘している。有名なものでは、現首相の李克強氏が遼寧省の幹部時代、GDP統計を信じず電力、鉄道貨物、融資の3統計がまともだと考えていると、内部告発サイト「ウィキリークス」によって暴露された。

 この3指数を使って中国経済を推計する手法もある。李氏がGDP成長率を信用していなかったことが、はからずも中国のGDP統計の信頼性の危うさを暴露することになった。

 一党独裁で社会主義国の中国では、統計はあてにならないと思う。国営企業が経済の中心である社会主義国では、経済統計が産業所管の役人の成績にも関わるので、改竄(かいざん)がしばしば行われるからだ。

 そして、社会主義は一応雇用の確保が建前であるが、現実に雇用が悪いことがバレるのを防ぐために、ほとんど雇用統計を発表しない。先進国では、GDPと雇用が密接な関係があるが、雇用統計を公表しないので、GDP統計のデタラメさも分かりにくくなっている。

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