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【高橋洋一 日本の解き方】過去最低GDPより“実態”は深刻…中国経済は悪くなっている 米中貿易戦争直撃で輸入減続く (2/2ページ)

 筆者の推計法は、輸入の伸び率からGDPの伸び率を推し量るというものだ。GDPの動きは所得の動きになり、国内品を購入すれば消費になるし、海外品を購入すれば輸入になる。一方、中国の輸入は世界の中国以外の国の中国向け輸出の合計に等しいはずだ。

 貿易統計は、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟しているので確かに存在している。そして、中国以外の国の中国向け輸出の合計は、中国の輸入額とさほど変わらないので、中国の輸入統計はとりあえず正しいとみていいだろう。

 輸入額を対前年同月比で見ると、5月は8・5%減、6月が7・3%減、7月が5・3%減、8月が5・6%減とかなり悪い。これは米中貿易戦争により、中国経済が大きな打撃を受け所得が急減している証拠である。これから考えると、中国のGDP成長率はゼロ程度か、場合によってはマイナスでもおかしくない。いずれにしても、中国経済がかなり悪くなっているのは間違いない。

 かつて本コラムで、中国政府はメンツがあるから、小刻みでしかGDP成長率を低下させないと書いてきたが、その通りになっている。もっとも、GDP成長率の微小な変化には経済的な意味はなく、政治的な意味しかない。重要なことは、米中貿易戦争によって中国経済がかなり深刻になったということだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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