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【高橋洋一 日本の解き方】「国会質問問題」の本質は“通告遅れ” 損失は1日当たり「3750万円」と試算 今こそ「事前公表」に変えるべきだ (2/2ページ)

 通告遅れによる損失は、少なくとも〈待機人員総数×待機時間×残業単価〉と考えていいだろう。待機人員総数は課数×要員で500×4=2000人。待機時間は5時間として、残業単価は公務員時給2500円の1・5倍で3750円。これらから、国会待機の損失は、1日当たり大まかに3750万円と試算できる。

 もっとも現実には、国家公務員は労働基準法の対象外なので、これらの残業手当が払われることはなく、泣き寝入りになるだろう。それでも、国の損失であることは間違いない。

 この損失をなくすには、国会質問を事前公表するのがいい。そうすれば通告遅れも少なくなるだろう。上記に書いた無駄な残業もなくなり、霞が関の働き方改革にもいい。しかも、レベルの低い質問をしようとすると事前にばれてしまう。現状でも答弁をしっかり行うための意見照会などで質問項目は漏れているので、公表しても問題ないだろう。

 実際、大阪府や和歌山県議会では質問公表を取り入れているようだ。フランス国会でも質問は公表だ。日本の国会で、できない理由はない。

 実は、国会質問の事前公表は与党もやりたくない。ここは、野党の攻め所だ。国民民主党も、森議員の通告遅れを謝罪するとともに、この際、国会質問の事前公表という方針に転換した方がいいだろう。国民民主党は、特定秘密保護法に反対なのに、国会質問漏れは許さないというのでは、あまりにチグハグすぎる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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