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【高橋洋一 日本の解き方】「一帯一路」の裏に中国の苦境 貿易戦争下でつばぜり合いも…米の強力な対中制裁乗り越えられるのか? (1/2ページ)

 中国の習近平国家主席がギリシャを訪問し、巨大経済圏構想「一帯一路」の進展ぶりを強調した。

 ギリシャは、政治的には欧州連合(EU)に、安全保障的には北大西洋条約機構(NATO)に加盟する西側民主国家である。ただし1980年代には親ソ連政権だった。

 一方で、過去200年間で100回程度の財政破綻をするなど、経済は必ずしも順風でなかった。2001年には共通通貨ユーロも導入したが、10年には統計操作による巨額の財政赤字隠蔽が発覚し、ユーロ金融危機へと発展した。

 ギリシャは経済力が弱いにもかかわらずユーロに加盟したことが裏目で出た。それまでドラクマという独自通貨を持ち、独自の金融政策を行うことができていたのに、ユーロに加盟したことで、共通の金融政策に服することになった。

 ノーベル経済学賞を受賞した経済学者マンデルによる最適通貨圏理論でも、ギリシャのユーロ加盟は不利になることが分かる。

 同理論によると、ユーロのような共通通貨が有効になるためには、いくつかの条件が必要だ。ユーロは当初の参加国程度の地域に限定していればよかったが、その後、政治的な拡大を経て、本来は加盟すべきでない周辺国も加わり、今では最適通貨圏を超えている。

 結果的にユーロは、ドイツなどの中心国にとって「割安」になる一方で、ギリシャのような周辺国には「割高」になってしまった。そのためにギリシャは経済危機に陥ってしまったのだ。

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