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【富坂聰 真・人民日報】何も見えてこない香港のデモ “失速”の裏に薄れる市民の支持 (1/2ページ)

 これは台風の中継と何が違うのだろうか?

 日本のテレビで報じられる香港のデモを観ていて感じる率直な感想だ。

 画面の中では、ヘルメットにプレス用ジャケットを身に着けた記者がマイクを片手に「いま、警官が催涙弾をデモ隊に向けて発射しました。ゴホッ、ゴホッ…」と興奮した声のリポートが続く。

 どのチャンネルを回しても同じ映像で、デモ最前線をとらえた動画は、たいてい現地の活動家らがネットに上げたものだ。

 逃亡犯条例改正案への反発に端を反発したデモが、最初に大規模化したのは6月9日。すでに5カ月だが、報道の内容はほとんど変わらない。

 違和感を覚えるのは、香港の問題を指摘する現地の声がほとんど伝わらないことだ。街頭インタビュー以外では、常連の20代の女性活動家が「警察の非道」を日本語で訴えるだけだ。

 これで視聴者は香港で何が起きているのかを理解できたのだろうか。

 現地では早くからデモの裏側にいる勢力への言及があった。香港人なら誰でも知る黎智英(ジミー・ライ)氏(香港紙『蘋果日報(リンゴ日報)』創業者)以下、4人で、いずれも中国系メディアが目の敵にする人物だ。

 そうした面々のインタビューが日本のメディアでほとんど見当たらないのはなぜなのか。

 学生のリーダーの声も動向も見えてこない。

 身元を特定されたくないデモのリーダーへのインタビューが難しいのは理解できるとしても、あまりに何もないのだ。

 香港警察幹部が取材に応じている形跡もない。

 昔の雑誌の現場なら「何やってんだ」と怒声が飛ぶ場面だ。

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