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【高橋洋一 日本の解き方】GSOMIA破棄停止は韓国の「一人芝居」…日本側は失点なく米国は激怒、政治的にも経済的にも窮地に (1/2ページ)

 韓国政府は、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を土壇場で撤回した。韓国の戦略はなぜ失敗したのだろうか。

 日韓のGSOMIAは23日午前0時に失効するとみられていたが、その6時間前に、破棄の停止(=延長)が発表された。

 そもそも2017年5月の大統領選で、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は公約としてGSOMIA見直しを言っていたが、まさか実行はしないと思われていた。

 しかし、日本が今年7月1日、韓国における輸出管理の不適切事案を理由として韓国向けの輸出管理を見直したところ、韓国は8月23日、筋違いといえるGSOMIA破棄を日本側に通告した。さらに、韓国は9月11日に日本の輸出管理について世界貿易機関(WTO)に提訴した。そして土壇場の11月22日、韓国がGSOMIA破棄を停止、WTO提訴を取り下げ、日韓で輸出管理についての対話を行うと発表された。

 これは韓国の「一人芝居」だといわざるを得ない。韓国側がGSOMIA破棄を停止、WTO提訴を取り下げと2枚のカードを切ったのに、日本は韓国によるWTO提訴取り下げに伴い、日韓2国間での「対話」に応じるだけで、何も失っていない。2国間の対話では当然のことながら結論は出ていない。この意味で、日本の外交的な「完全試合」だった。

 要するに韓国は、「輸出管理という貿易上の措置を、安全保障の問題であるGSOMIAとはリンクさせない」という日本の主張を一切崩せなかった。貿易上の措置と安全保障では事の軽重が異なるが、文政権の外交音痴を露呈させた。また、韓国による日韓GSOMIA破棄は、中国と北朝鮮を利するだけだと同盟国の米国を激怒させ、韓国は外交上の信頼を失った。

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