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【編集局から】映画で見た光景が現実に…香港デモ、いまだ収束の気配なく

 収束する気配がない香港のデモに心が痛みます。英国から返還される以前の1980~90年代、明日が見通せない中で、香港映画はマニアックな人気を集めました。

 中でも東映ヤクザ映画をほうふつさせる「男たちの挽歌」(86年)は、香港ノワールと呼ばれるギャング映画の珠玉。米ドルの偽札作りなどで隆盛を極めたマフィアのマーク(チョウ・ユンファ)が仲間の裏切りにあい刑務所へ。出所後は、香港警察に勤務する弟(レスリー・チャン)と敵味方となって対峙します。

 高台から摩天楼を見下ろしたマークが「香港の夜景は美しいな。でも、この美しさはうわべだけだよ」とつぶやくシーンに惚れ惚れしたものです。いま思うと、とても象徴的で、プライドを重んじる香港人の気質を投影していたともとれます。

 もうひとつ、ジャッキー・チェン主演の「ポリス・ストーリー/香港国際警察」(85年)も有名です。ズッコケながらも難事件を解決する熱血漢のチェン刑事(ジャッキー)は、常に弱者の味方でした。

 警官が市民に銃口を向ける日が現実になるとは、なんとも切ない思いです(N)