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【高橋洋一 日本の解き方】イランの報復「ミサイル攻撃」とトランプ「52枚」の手札の思惑 弾劾潰しと大統領選も視野に (1/2ページ)

 米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことを受けて、イラン側は米軍が駐留するイラクの空軍基地など2拠点に弾道ミサイルで報復攻撃を行った。両国の緊張が高まるなか、日本にどのような影響が出ると考えられるだろうか。

 トランプ米大統領は昨年6月、イランへの空爆を実行直前に中止した。空爆によってイラン側に150人の死者が出るとの報告を受けたからだ。その中止の結果として、昨年9月のイランによるサウジアラビア石油基地への攻撃につながったといわれている。もっとも、この襲撃でも死者は出なかった。

 トランプ氏が急変した契機は、昨年12月27日、イランが支援するとされる武装勢力の攻撃で米民間人1人が死亡、米兵4人が負傷したことだ。これを受けてトランプ氏はソレイマニ司令官殺害計画の策定を即座に指示したと報道されている。つまり、米国人の生死がトランプ氏のレッドラインだったのだ。

 極めてシンプルだが、昨年6月の空爆停止、9月のサウジ石油基地への攻撃でも報復しなかったことと整合的だ。トランプ氏の「米国民を守るため」という説明ともつじつまが合う。

 イラン側も、ソレイマニ司令官は国民的英雄であり、報復しないと国民向けに示しがつかなかった。しかも、イランは2月に議会選挙を控える。保守派は、ロウハニ大統領ら国際協調主義の穏健派を押さえ込みたいが、今回のソレイマニ司令官殺害とそれへの報復はその追い風になるだろう。

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