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検察ナンバー2“異例”の定年延長…ゴーン被告の逃亡が影響か

 政府は先月末、定年間際の黒川弘務東京高検検事長(62)の勤務を半年間延長する異例の人事を閣議決定した。この人事について、左派野党は「稲田伸夫検事総長(63)の後任に充てる狙いだ」「首相官邸が、検察首脳人事に介入した」などと問題視している。だが、法務・検察に詳しいジャーナリストの須田慎一郎氏によると、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の海外逃亡事件の影響があるという。

 検察庁法は、定年を検事総長が65歳、それ以外の検察官は63歳と定めている。黒川氏は、法務省の官房長や事務次官を歴任した次期検事総長候補だが、今月8日に63歳の誕生日を迎える。

 政府はその直前(先月31日)、黒川氏の定年を国家公務員法の特例規定で、8月まで延長すると決めた。

 これに対し、立憲民主党の枝野幸男代表は「安倍官邸が検察まで恣意(しい)的に動かすことは許されない」などと反発している。

 背景はどうなのか。

 須田氏によると、検事総長人事は辻裕教(ひろゆき)法務次官が中心となって昨年11月ごろから調整が進んだが、ゴーン被告の逃亡事件で仕切り直しを迫られたという。

 須田氏は「年明けのタイミングで現在の稲田氏が辞めれば『事実上の引責辞任と受け取られ、検察の権威に傷が付く』との判断があったようだ。また、稲田氏には4月に京都で開く『国連犯罪防止刑事司法会議』を自らの手で成功させたいとの意向もあった。最終的に辻氏が、黒川氏の定年延長を官邸に提示した。政治介入はなかった」と指摘している。

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