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【高橋洋一 日本の解き方】新型肺炎で東京五輪中止なら…2・6兆円分の経済的打撃に 4月以降もマイナス成長懸念 (1/2ページ)

 新型肺炎問題で、東京五輪・パラリンピックが中止や延期となるリスクはどの程度あるのか。もし中止となった場合、政治的、経済的な影響はどれぐらいになるだろうか。

 これまで近代五輪は3回中止されたことがある。1916年ベルリン五輪、40年東京五輪、44年ロンドン五輪で、いずれも戦争のためだった。

 今のところ、主催者である国際オリンピック委員会(IOC)は開催中止を検討していないというが、ディック・パウンド委員は開催是非の判断期限は5月下旬との見方を示した。

 形式的には、IOCは開会式当日まで中止の判断ができる。しかし、現実問題としては、各国選手団はトレーニングキャンプのために大会が始まる前に日本に入国したり、代替候補地での五輪準備の時間も必要なので、遅くとも2カ月ほど前に中止決定しないとまずいだろう。

 もっとも、数カ月延期というのは難しい。というのは、IOCの収入の半分ほどはテレビ放送料であり、その半分は米国からだ。そこで、7月下旬からの開催を数カ月ずらすというのは、米国のスポーツシーズンにぶつかるのであり得ないからだ。そもそも夏の暑い時期に五輪が開催されるのは、こうした欧米でのスポーツ事情があったことを思い返すべきだ。

 IOCはビジネスとして五輪運営を考えているので、欧米諸国の間に日本での開催は困るという雰囲気が出始めたら、結構あっさりと他国開催に切り替える可能性もゼロではない。ロンドン市長選で、東京の代わりにロンドンで引き受けるという候補者が出ているのは、こうした国際情勢を先読みしているのだろう。

 もっとも、これまでの五輪で公衆衛生上の理由による中止はない。2016年のリオ五輪でも、世界保健機関(WHO)は同年2月に緊急事態宣言を宣言したが、開催されている。ただし、ジカ熱では死亡例はないとされ、日本での感染症法上の扱いは第4類指定だ。

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