記事詳細

【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】安倍首相、コロナ対策に「臨時休校」要請…国民の不安を煽ってはいないか? 政治家に求められる「落ち着いたリーダーシップ」 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、政府が要請した全国の小中高校などの臨時休校が2日、始まった。今やアジアだけでなく、世界的に広がりを見せているだけに、いち早い対策を取ったともいえる。ただ、国民の不安をあおる対策になっていないか、いささか疑問である。

 安倍晋三首相が臨時休校の考えを示したのは、2月27日の新型コロナウイルス感染症対策本部会合だった。

 この時点で、臨時休校のスタートは4日後。ウイルスが蔓延(まんえん)する一部の学校なら理解できるが、全国規模で実施するとなれば唐突であり、現場の混乱も容易に想像ができる。

 安倍首相は同月28日の記者会見で「率直に言って、政府の力だけでこの戦いに勝利することはできない」と国民に協力を呼び掛けた。ただ、そのような国難に直面しているならば、幼稚園や保育所も対象にしてウイルスをシャットアウトする姿勢が求められるではないだろうか。

 この2日前には、今後2週間の大規模イベントを中止、延期などが求められた。コンサートやスポーツイベントなど、さまざまな団体が対応を迫られ、日本全体が経済的な打撃を受けた。昨年の消費税増税だけでも日本経済に与える打撃が大きかったのに、さらなる足かせになっている。

 米国でも、新型コロナウイルスの感染者に死者が複数出ている。米政府は2月29日、イタリアや韓国の一部地域への渡航中止を勧告した。中国本土と同様、イランからの入国禁止も決定した。

 ただ、ドナルド・トランプ大統領は「パニックになる必要はない」と、あくまで国民に自制を呼び掛ける程度だ。公的機関や民間企業に活動の自粛を呼び掛けるまでには至っていない。

関連ニュース