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金正恩の眼前で繰り広げられた「核開発」幹部の射殺事件 (2/2ページ)

 そもそも本来は、金正恩氏の視察時にこのようなミスは絶対に起きないようになっている。LKPによれば、視察のスケジュールは何カ月も前に組まれ、国務委員会の行事局が現場を徹底的に点検する。その報告を受け、最終的に決済するのは金正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長だ。

 また、軍の関係先を視察する際には、軍総政治局の行事局が現場を仕切るという。

 ただ、金正恩氏はときに、木の赴くままに抜き打ちの視察を行う。そのようなときには、最精鋭の警護員たちだけが帯同する。いくら精鋭であっても、皆が皆、極度の緊張に包まれる。今回の事件も、そのような状況で起きたということだ。

 実際、北朝鮮メディアが公開した金正恩氏の動静情報を見ていても、「これは抜き打ちだったのかな」と思えるものがたまにある。一方、父の金正日総書記の時代には、そのような情報が公開されたことはほとんどなかった。抜き打ちの視察自体、金正恩氏の方が多いのかも知れない。

 筆者は、特に軍事部門での指導力は金正恩氏が父親を大きく上回っていると見ている。弾道ミサイル発射への立ち合いなど、活発な現地視察がその理由のひとつだ。しかしその分、現場の負担と緊張は増しているのかもしれない。

デイリーNKジャパン

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