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【富坂聰 真・人民日報】米注目の新型コロナ「研究所起源説」 フェイクに踊らされる“症状”も (1/2ページ)

 アメリカのソフト・パワー減衰が深刻だ。

 新型肺炎の感染拡大がアメリカ全土に広がり米中対立は激化するなか、トランプ政権が周囲に飛び交うフェイクニュースにさえ手を出した始めた兆候がうかがえるのだ。

 その典型は新型コロナウイルスが「武漢ウイルス研究所」から出たとの説だ。マイク・ポンペオ米国務長官は3日、米ABCテレビのインタビューで、中国の研究所が発生源である「かなりの量の証拠」があると述べた。

 この発言は日本の主要紙でも紹介されたが、実際の番組をみると少し様子が違っている。

 「最も優れた専門家はウイルスは人工物だとし、私にそれを疑う理由はない」と発言したポンペオ氏に、キャスターが「国家情報長官室(DNI)は、科学界のコンセンサスは人工ウイルスでも遺伝子操作でもないと報告しているが」と突っ込むと、今度は「私もそれは見た」とした上で、「あれは正確だ」と、明らかに矛盾する回答をしたのだ。

 この説には国内からも反対意見が目立つ。

 4日には、アンソニー・ファウチ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長が、「このウイルスは人為的または意図的に操作されたものではないとの結論に強く傾いている」と語り、その翌日にはマーク・ミリー米統合参謀本部議長も「ウイルスは恐らく人工ではない」との認識を示すという具合だ。

 研究所流出説には、「人工」説に加え「流出」説もあるが、この場合は人間に感染する受容体の存在が不明で根拠薄弱だ。

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