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【高橋洋一 日本の解き方】不必要な感染広げるリスクもあり…全国民へのPCR検査はやはり不要 「超過死亡」も大きく出ていない (2/2ページ)

 しかし、感染の初期段階には有効かもしれないので、筆者も考えてみた。今のところ、感染初期であっても、PCR検査によって接触削減に代替するのは実務的にかなり困難だろう。

 というのは、PCR検査の誤判定については他の抗体検査などを併用することで少なくすることは可能であっても、検査自体の実施に時間がかかるのに対し、感染症は人と人との接触があれば、あっという間に感染してしまうからだ。

 ドライブスルー検査もあるが、多くの場合、検査は人と人との接触機会がある程度発生するのは避けられず、極端なことを言えば、その機会が感染を拡大することにもつながりかねないのだ。

 これは、検査を受けるために医療機関に来ると、感染の確率が高くなるというこれまでの経験からもわかる。

 以上の通り、現場の医師が要請するレベルであれば、感染症の検査を行って治療をする。それは社会隔離になり、感染症の不必要な拡大を防止できるので、便益は費用を上回る。

 しかし、現場の医師が要請するレベルを超えれば、検査を受ける人の満足は高まるが、医師に不必要な負担をかけ、他への医療資源を奪いかねないデメリットがある。

 実際に、統計上の日本の死者数は少ない。表面的な死者の少なさより、「超過死亡」を見るべきだという意見もあるが、国立感染症研究所などの統計でも超過死亡は今のところ大きくない。

 PCR検査が不足しているといっても、その弊害は出ていないので、全国民に拡大すべきという論拠にはならないのだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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