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金正恩氏に「残酷な証拠写真」を撮られた軍幹部らの悲惨な運命 (2/2ページ)

 金正恩氏はファイルを開き、中から複数枚の写真を取り出した。

 「おい、お前。記念に持ってけ」

 金正恩氏はそれらの写真を、十数人に投げつけるように渡した。

 「大会参加者の証言によれば、写真を受け取り回れ右した将校たちの顔は瞬時に土色に変わり、脚が震える様子が遠くからも判別できたという」(チュ氏)

 いったい、あの写真は何か。大会参加者らが考えを巡らせるまでもなく、金正恩氏が怒声を発した。

 「あいつらは昨日、オレの前で寝たやつらだ。オレが若いから舐めてるのか!?」

 金正恩氏は大会1日目、居眠りする参加者の写真を密かに撮らせ、所属部隊などのプロフィールを調べ上げていたのだ。写真を渡された将校らは両脇を兵士に抱えられ、どこかへ連行されてしまった。

 (参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

 政治イベントで無味乾燥な演説を何時間も聞いていれば、誰だって眠気に襲われるものだ。ただの居眠りのせいで抹殺されてしまうとは、これほど残酷なこともない。

 金正恩氏は続けて、呼び出された将校たちの上官を起立させ、恐ろしい剣幕で叱りつけたという。チュ氏によれば、ある参加者は「恐ろしくて死ぬかと思った」と回想したという。

 金正恩氏はこの大会から1か月半後、叔父である張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長を国家転覆陰謀罪で逮捕し、処刑してしまった。それからしばらく、北朝鮮では粛清の地の雨が降ることになった。

デイリーNKジャパン

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