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【富坂聰 真・人民日報】豪・印で分かれる中国の反応 オーストラリアには強硬、インドには抑制的なワケ (1/2ページ)

 中国とインド、中国とオーストラリアの対立はごく短い間にかなり根深いものとなったとの印象がある。いまや中国にとって米国を除けば、最大の外交的な懸案にもなっている。

 豪・印いずれの国との対立も、その背後に国民の嫌中意識の高まりという要素があり、またコロナ禍による経済へのダメージが大きく、政権が難しいかじ取りを迫られているという特徴がある。

 オーストラリアは感染状況こそ欧米ほど深刻ではないものの、4-6期のGDP成長率がマイナス7%と激しく落ち込んだのだ。インドの感染者数は拡大の一途をたどりいずれ米国を抜くとも指摘され、経済の落ち込みは4-6期のGDP成長率でマイナス23・9%とG20(20カ国・地域)メンバー国の中で最低の落ち込みを記録した。

 国民の怒りが中国へと向かうのも無理からぬ状況なのだ。

 ただ当然のこと2つの国との対立は同列に扱ってよい話ではない。最も顕著な違いは、両国に対する中国の反応である。

 オーストラリアに対する中国は強硬姿勢を隠そうとしないのに対し、対インドでは抑制的な反応にとどめている。

 インドの問題では外交部も消極的なため、対立の主戦場はメディアとなる。中でも目立つのは対外強硬姿勢が売りの『環球時報』である。9月10日には中印軍がにらみ合う前線で、中国側から迷い込んだ牛をインド軍が中国側に返還したというニュースをインドのメディアが報じ、その記事の中で「牛がスパイ」との疑惑を書いたことを同紙が揶揄するという子供っぽい応酬を演じていた。

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