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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】宇宙に満ちている人工衛星のかけら 放出された物体や液体の一部は放射能…いずれは地球に落ちてくる (2/2ページ)

 だが、史上初のこの衛星搭載の原子炉は43日目に電気回路が故障した。そして1970年代になると、多分、衛星の衝突で機体は分解し、現在は約100個のかけらが生まれている。

 この衛星は現在、地上から約1300キロメートルの軌道にあり、地球に落ちるまで4000年かかる。それゆえ放射性物質が地球に戻ってくるまでに十分弱まるというが、衝突などがあれば分からない。

 また、ロシア(旧ソ連)のいくつもの人工衛星が原子炉を積んでいる。

 1978年、旧ソ連の人工衛星が大気圏に突入して、カナダの雪原に放射性物質をまき散らしたこともあった。

 1987年には原子炉を搭載する「コスモス1818」を打ち上げた。海洋偵察衛星として設計されていたが、5日だけ稼働して機能が故障した。

 同年に打ち上げた「コスモス1867」はやはり原子炉を搭載している。1818の双子だが、カナダでの事故の教訓から、1818と同様に高高度軌道に打ち上げたために、今度は太陽の熱によって壊れて原子炉の冷却管にヒビが入って、放射性の液体金属を宇宙空間に放出する事故を起こした。

 衛星が数キロ以内ですれ違う事件は、毎日のように発生している。

 宇宙は人工衛星のかけらに満ちている。

 そして、宇宙で危険があるばかりではなく、それらから放出された物体や液体の一部は放射能があり、いずれは地球に落ちてくるのだ。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震-人間が引き起こす地震』(花伝社)。

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