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長雨生む厄介モノ「線状降水帯」の予報に挑戦 防災科学技術研究所は2時間先の降雨量予測 (2/2ページ)

 予測結果の表現も「3時間で200ミリの雨」ではピンとこない。これまでの統計から「何十年に1度の雨」とした方が分かりやすいと、清水さん。「危険度を示すことが重要です」と言う。

 雨や風もさることながら、精度向上のカギは大気中の水蒸気量のリアルタイム観測だ。清水さんたちは、九州各地に新たな機器を設置している。

 長崎県・野母崎と鹿児島県・甑島(こしきしま)に置いたのは、真上に光を放出して反射の仕方から水蒸気の量をみる「水蒸気ライダー」。昼は高さ約1・5キロ、夜は高さ約7~8キロまで15分置きに観測する。

 テレビの地上デジタル放送で出す電波を利用した観測方法もある。電波がある区間を往復するのに要する時間などから、高度50メートル以下の水蒸気量を1分置きに測れる。平面上の分布をリアルタイムに把握する仕組みが、2020年度中に整う予定だ。

 半日前に予測する実証実験にも取り組んでいる。気象庁が数年間に発生した約300の線状降水帯を分析。「湿度」「風速」など6つの指標への該当数から3段階の危険度予測を示す。2時間前の予測よりは大まかな情報ではあるが、防災科研が福岡県朝倉市など九州の9自治体に電子メールで伝える仕組みだ。

 改良の余地は大きいが、清水さんは「高齢者など早期に対応が必要な方の避難に役立ててほしい」と意気込んでいる。

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