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【歳川隆雄 永田町・霞が関インサイド】米国が懸念する日韓関係の現状 「インド太平洋戦略」不参加への隠れみの「新南方政策」で中国に配慮 (1/2ページ)

 今、ワシントンの外交関係者の間で関心が集中するのは、2021年の日米韓3カ国の関係の行方である。

 深刻化する米中対立を念頭に置く米国から見ると、関係修復が容易でない日韓関係の現状に強い懸念を抱いている。改めて指摘するまでもなく、韓国は日本と並ぶ世界最大級の「米常備軍の最前線」である。

 最も多い日本には約5万4000人が駐留するが、韓国にも約2万6000人が駐留する。日韓2国で海外駐留米軍16万人の半分を占める。

 ちなみに、北大西洋条約機構(NATO)参加国のドイツに駐留する米軍兵士は約3万4000人、イタリアが1万2000人、英国は9000人だ。

 そして重要なのは、韓国が今や軍事大国であるということだ。増加の一途をたどる韓国の国防予算は4兆7000億円に至り、あと数年で日本の防衛予算を抜くとされる。

 ワシントンで取り沙汰される理由は、そんな韓国を抜きにしてインド太平洋地域における安全保障戦略を考えられるはずがないというものだ。

 安倍晋三前首相主導で確立された日本と米国、オーストラリア、インドによる「インド太平洋戦略」(=現在、外務省は『戦略』でなく『構想』を使う)の原則や柱と、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が打ち出した東南アジアと南アジアとの関係を拡大する「新南方政策」は対立するのではないかとの指摘がある。

 平たく言えば、文政権は最大の貿易相手の中国を気にしてインド太平洋構想に参加しないための隠れみのにしているのだ。

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