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森喜朗氏、菅義偉氏から逆説的に学ぶ、正しい謝り方 (3/4ページ)

 相手に伝わらない謝罪は、たいていの場合「自分は悪くない」「圧力で謝らせられている」というニュアンスが全面に出てしまっている。謝罪の問題は以前もこのコラムで取り上げたことがあるが、こうなってしまう最大の原因は高すぎるプライドである(関連記事)。

 自身に対する過剰なプライドがあると、ミスを絶対に認めたくない心理が働き、逆に相手を怒らせるような表現になってしまう。もしかすると過剰なプライドの背後には「自信のなさ」という隠れた心理があり、ミスを認めると、自分にダメ出ししてしまう恐怖感があるのかもしれない。

 謝ると損をするというのは言い訳に過ぎない

 一部の人は簡単に謝ってしまうと、訴訟などで責任を負わされるという主張をするが、そうした主張をしている人のほとんどは、裁判の経験がない人だろう。少なくとも日本の裁判では、謝罪行為そのものが責任を立証する材料となるケースはほとんどない。

 やってもいない重過失を認めて、過失内容について具体的に謝罪するようなことでもしない限り、謝罪したことそのものが訴訟で不利になるとは限らず、むしろ事態を悪化させる作用(本来なら訴訟を回避できたのにできなくなった、謝罪を一切しないので裁判官の心証を悪化させたなど)をもたらす可能性もある。

 医療訴訟では、逆に謝罪をしたことが慰謝料を減額させる結果となった判例もあるので、「謝ると必ず損をする」というのは、謝りたくない心理を正当化する言い訳でしかない。

ITmedia ビジネスオンライン

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