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【大前研一 大前研一のニュース時評】“いつの間にか”台湾支配!? 上陸作戦より「香港方式」に味をしめた中国 (1/2ページ)

 台湾の蔡英文総統は10日、中華民国の建国記念日にあたる「双十節」の祝賀式典の演説で、「われわれの主張は現状維持だ。台湾人は決して圧力に屈服しない」と語り、台湾防空圏に多くの軍用機を進入させて統一圧力を強める中国に自制を促した。

 その前日の「辛亥革命」110周年記念大会で、中国の習近平国家主席が「祖国の完全な統一は必ず実現しなければならない」と言ったことを受けたもの。

 私が台湾で仕事を始めたころ、蒋介石の息子で国民党主席の蒋経国総統の時代で、まだ戒厳令が敷かれていた。

 当時はいわゆる外省人(第二次大戦後に台湾に移住した)が本省人(大戦前より台湾に居住する人とその子孫)を軍事的に支配し、「われわれは必ず大陸に戻って、共産党の支配から中国を解放する。その間、申し訳ないが、少しだけ台湾にいさせてほしい」と言っていた。

 講演などで「台湾のような『国』」と言うと、「台湾は『国』ではありません。大陸が国です。われわれは取り返します」と強くアピールしていた。そういう意味で、今回の蔡総統の「現状維持」の主張は、従来の国民党の主張とは違う。

 民進党で本省人の蔡総統のこの「現状維持だ」の言葉、実は最初に使ったのは私だ。李登輝さんが台湾総統だった当時、私は台湾の経済顧問をしていて、「あるがままの台湾」(台湾・アズ・サッチ)を提唱した。

 つまり、現状維持の台湾をピカピカに磨いて、世界中から尊敬されることを目指そうということ。で、磨いていった結果、台湾の会社は強くなって、中国大陸の中でも大活躍している。TSMCのように世界の半導体受託生産の半分超を占める会社も出てきている。

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