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【西本忠成 トラとら虎】阪神・鳥谷に生え抜きの精神力 2000安打へあと「14」も個人記録の話には乗ってこず

 阪神の鳥谷敬内野手(36)は、あと14本(20日現在)に迫った通算2000安打に向けて快調に飛ばしている。前カードの対広島3連戦(京セラドーム大阪)では3戦連続マルチ安打。この調子だと8月中の偉業達成も可能だろう。

 「昨年、北條にショートの座を奪われ、三塁にコンバートされたときはピンチだった。成績も下がり、2000本はどうかなと思わせた時期もあった。危機を乗り越えた精神力の強さは大したもの」と球団幹部は称賛を惜しまない。

 「新・鉄人」の異名にふさわしく、夏場に強い。バテる選手が多いなか、年齢を感じさせない攻守を見せる。「若いころから徹底的に鍛えた財産だよ。ベテランになっても手を抜くことを知らない」と首脳陣も真摯に野球に取り組む姿勢を評価する。

 阪神の生え抜きで、これまで2000安打を達成したのは藤田平だけ。藤田も晩年は一塁にコンバートされたが、名遊撃手で売ったところは共通している。高い守備力を求められる内野手が、打撃でも勲章を手にするのだから、その価値は一段と高い。

 そういえば阪神には内野手にスターを生み出す土壌がある。先の藤田の他にも、古くは藤村富美男、吉田義男、三宅秀史。1980年代以降では掛布雅之、和田豊。「歴史はあっても伝統はない」と揶揄される阪神だが、内野手の伝統だけは脈々と受け継がれている。

 普段はあまり自分をアピールしない鳥谷が、唯一こだわったのは遊撃のポジション。今季のキャンプでは「ショートでの勝負」を望んだが、変革の波に押し流され、三塁に定着。目下、1861試合連続出場(歴代2位)と、こちらの大記録も伸ばしている。

 相変わらず個人記録の話には乗ってこない男だけに、2000安打達成時にはどんなコメントを発するのか、興味深い。 (スポーツライター・西本忠成)

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