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【藪恵壹 藪から棒球】メッセンジャーの“気性の荒さ”が懐かしい 助っ人投手初の通算7度目2ケタ勝利 (2/2ページ)

 そんな彼が日本で成功できたのは、とにかく安定した成績を長く残せたから。先発に転向させて制球力を上げ、日本の飛ぶボールでも抑えられるようスプリットやカーブを覚えさせた恩師は、久保康生さん(現ソフトバンク2軍投手コーチ)です。本人にもこだわりを持って投球動作を磨く姿勢がありました。左足の着地点が一定かどうか、「見ていてくれ!」と熱く訴えてきたものです。

 日本で大金を稼ぐには白星だけでなく、登板数を積み重ねることが近道だと、早く気づけたことも大きい。そうすることで生活が安定し、後輩をかわいがり、ジョークを飛ばすような余裕が生まれたのだと思います。

 私も指導に携わったとはいえ、これほどまでの活躍は正直、想像できませんでした。今や文句なしの大功労者となった彼に、チョークスリーパーで首を絞められ合気道で応戦したのは今でもいい思い出です(笑)。

 ■藪恵壹(やぶ・けいいち) 1968年9月28日生まれ、三重県出身。和歌山・新宮高校から東京経済大、朝日生命を経て93年ドラフトで1位指名され阪神入り。94年に新人王を獲得。エースとして2003年のリーグ優勝に貢献。05年にアスレチックスへ移籍、ロッキーズ、ジャイアンツなどでプレー。10年7月に楽天入り、同年限りで現役引退。11-13年は阪神投手コーチ。現在は野球評論家。

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