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【福島良一 メジャーの旅】ぶっち切り地区V! レッドソックス、106年前を回想させる快進撃

 ア・リーグ東地区でレッドソックスが20日(日本時間21日)に宿敵ヤンキースを破り、3年連続地区優勝。しかも同日現在、球団史上2位タイの104勝を挙げてブッチ切り。この調子なら、はるか遠い昔の球団記録更新も間違いない。

 1912年、ボストンに新球場フェンウェイパークがオープン。もともと沼地だった場所に建てられた変形のグラウンドで、レフトには「ダフィーの壁」と呼ばれる急激な傾斜があった。まだグリーンモンスターはない時代だ。

 レッドソックスはトリス・スピーカー外野手をはじめ、剛腕投手スモーキー・ジョー・ウッドを擁した。かつて女子野球チームでブロンドのエースとして活躍。しかし、ロッカーで女にない物をぶら下げているのが見付かり追放された。

 その女子野球出身のエースが破竹の16連勝を含め34勝5敗。チームも断トツでペナントを制し、当時のア・リーグ記録105勝を挙げた。

 ワールドシリーズはナ・リーグの覇者ジャイアンツと対戦。04年にリーグ優勝したときには、「リトルナポレオン」こと名将ジョン・マグロー監督が新興のア・リーグとの対戦を拒否。世界一を決める決戦がお流れになった因縁の相手だ。

 その名門チームとの戦いは史上まれに見る大接戦となり、第7戦を終えて3勝3敗1分け。最後の第8戦も9回を終えて1対1の同点。延長戦へもつれ込み、10回表に2対1と勝ち越された。

 ところがその裏、先頭打者の平凡な外野飛球を野手が落球。球史に残るエラーでチャンスを作り、スピーカーが同点打。そして犠牲フライで劇的な逆転サヨナラ勝ち。地元ファンは「フェンウェイパークが幸運をもたらした」と信じた。

 あれから106年。いまや古都ボストンの象徴で大リーグ現存最古の球場でもあるフェンウェイパーク元年に世界一となった当時を回想させる、歴史的快進撃だった。(大リーグ評論家・福島良一)

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