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【神谷光男 スポーツ随想】「山根明」とは何者だったのか… 新体制下で激変とげるアマチュアボクシング界 (1/2ページ)

 殺人的な猛暑に見舞われた今夏、世間を最も騒がせた“アンチヒーロー”も、秋の深まりとともに忘却のかなたへと流されていく。

 自称「歴史に生まれた男」、日本ボクシング連盟の山根明前会長(78)だ。やりたい放題やった末辞任に追い込まれ、9月8日の理事会で内田貞信氏(45)が新会長に選出され新体制がスタートして約1カ月たった。

 先日の福井国体ボクシング競技では、なんと「競技規則にのっとり、公平公正なジャッジを行うことを誓います」と選手ではなく審判団の異例の宣誓があった。

 山根王国崩壊の引き金にもなった不正判定、通称「奈良判定」根絶を誓ったもので、審判の配置も手心を加えられないようにコンピューターで決めた。山根体制では考えられなかった改革だ。

 象徴的だったのは、プロ・アマの垣根がついに破られたことだろう。日本で初めてプロ世界4団体タイトル制覇(ミニマム級)の偉業を達成した高山勝成(35)のアマ登録が、今週中にも認可されることになった。

 昨年4月にプロを引退した高山は教員を目指して名古屋産大に入学し、同時に「東京五輪出場」を目指してアマ登録を日本連盟に願い出た。

 ところが、「アマは教育。プロはお金。目的が違いすぎて受け入れられない」と、プロを毛嫌いする山根氏から相手にされなかった。登録を求める2万人を超す署名を携えての訪問も門前払い。ついには日本スポーツ仲裁機構へ仲裁を申し立てたほどだ。

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