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【西本忠成 トラとら虎】矢野新監督が掲げる「打ち勝つ野球」の落とし穴

 阪神の矢野耀大新監督(49)が「打ち勝つ野球」を目標に掲げ、波紋を広げている。今季リーグ5位のチーム打率・253に終わった貧打線の強化を目指すが、そこにこだわると金本前監督の二の舞いになる。

 「元捕手の矢野監督が打ち勝つ野球を唱えたのは意外すぎる。捕手出身なら、打線がアテにならないことは承知しているはず。得点さえ与えなければ負けないわけで、特に広い本拠地甲子園では投を含めた守りの強化が鉄則」と球団OBは首をひねる。

 矢野監督は理想のチームに星野監督の下で優勝した2003年を挙げたが、単に打線が強力だったわけではない。ゴールデングラブ賞に矢野、アリアス、今岡、赤星の4人が選ばれるなど、守りが堅かったことを忘れてはいけない。

 対照的に今季の阪神の総失策数89はリーグ最多。「守備軽視の野球を継承しても進歩はない。打ち勝つ野球なんて助っ人が的中でもしない限り夢のまた夢。地味でもコツコツと守りを強化することが再建の第一歩」と先のOBは強調する。(スポーツライター・西本忠成)

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