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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】川崎・大島、“ベタ引き”相手にワンタッチ連発で芸術的ゴール

 今年、いや近年のJリーグでナンバーワンといっていい、鳥肌もののゴールでした。

 J1第30節の川崎-神戸戦(20日=等々力)。後半24分、MF大島僚太(25)が決めた逆転弾はまさに一級品。Jリーグの歴史に残る一撃といえるでしょう。

 起点はMF家長のヒールパス。それを受けた大島から小林を経由し、最後は大島が左足で押し込みました。この3人によるパス交換でなんと4度のワンタッチ。最後は小林と大島のワンツー。すばらしい連携でした。

 このゴールパターンは、対戦相手の神戸MFイニエスタ(神戸)が在籍していたバルセロナが得意としていたやり方。MFポドルスキも先発していたわけですから、相手のお株を奪う「してやったり」の一発でした。

 秘訣は、3人のゴールまでの「イメージ」が共有できていたことに尽きます。その動きはもちろん、味方の選手がどんなパスを出してくるか、普段の練習では2人なら積み上げられるでしょうが、3人、4人となると本当に全員の気持ちが合わないとできません。

 この時、神戸は俗に言う“ベタ引き”に近い守備形態でした。こういった守りにこそ、ワンタッチパスで切り崩すことが有効なのです。(元J1横浜監督)

 ■水沼貴史(みずぬま・たかし) サッカー解説者。1960年5月28日、埼玉県生まれ。FWとして日産の黄金時代を築く。日本代表として32試合に出場、7得点。95年横浜マリノスの前期優勝後に現役引退。2006年には横浜Fマリノスのコーチ、同監督も務めた。

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