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巨人、原全権体制の奇妙な実態…責任は背広組

 巨人は今秋の政権交代でGM職を廃し、原辰徳新監督(60)が編成面も取り仕切る“全権監督”に。ストーブリーグが本格化するにつれ、新体制の奇妙な権力構造が浮き彫りになってきた。

 巨人は16日、西武からFA宣言した炭谷銀仁朗捕手(32)と都内で初交渉。宮崎市で秋季キャンプ中の原監督は事前に電話をかけ、交渉役の大塚淳弘球団副代表編成担当(59)にメッセージを託した。「優勝するために扇の要である炭谷選手がぜひともほしい」。伝言を受け取った炭谷は「原さんの熱い思いが伝わった。大変うれしく思う」と喜んだ。

 推定3年総額6億円の条件提示を済ませ、大塚副代表は「手応え? あったんじゃないかと思います」と就任後初の大仕事に一息。高橋前監督の退任に伴い鹿取GMが先月11日付で退団したため、球団在籍37年目の古株スタッフが畑違いの編成業務を統括するポストに任命された。1982年にドラフト外で入団し、現役生活わずか1年の元投手が抜擢された理由は、1歳上の原監督との信頼関係に尽きる。

 先月23日の原監督の就任会見では、山口オーナー=読売新聞グループ本社社長=が「チームに関しては監督に全てをお任せする。編成の方針に関しても監督の意向を完全に尊重しようと思う」と異例の言及。一方で「責任を監督に丸投げするわけではない。獲得に関しての最終責任はフロントが背負う」とも話した。

 この「フロント」とは大塚副代表を指すのではなく、「補強が失敗した場合は(石井一夫球団)社長の責任ということになった」と球団関係者は解説。その上で「社長も一応、原監督への“助言”は認められているが、責任のバランスが偏りすぎだ」と指摘する。

 指揮官が目星をつけた他球団の選手を連れてくるため、背広組は金策や下交渉を引き受けた上、結果責任まで負うというのだから、全権監督の権勢は絶大かつ盤石だ。(笹森倫)

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