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【小林至教授のスポーツ経営学講義】「バッテリー間の距離を伸ばす」 米独立リーグで画期的試みのワケ (2/2ページ)

 野球は、好投手が実力を発揮すれば、得点はそうそう入るものではない。9つのポジションの中で、投手にかかる比重が突出して高い競技である。一方、野球における打撃は、あらゆるスポーツの中で最も困難で予見が難しいといわれる神業だ。3割打てば一流という世界で、日米のプロにおける4割打者は1941年のテッド・ウィリアムズが最後である。

 先ごろ、MLB球団からドラフト1位指名を受けたカイラー・マーレー外野手が、NFLを選ぶことを表明したのも、野球の打者としてアマチュアでの実績から将来を予測するのは、アメフトのクウォーターバックとしてのそれよりもはるかに困難で不確実であることが、大きな要因とみられている。

 要は、投本間を伸ばすことで、観客受けする打撃戦を増やそうという試みである。その背景にはもうひとつ、あまりに難しい競技は子供が敬遠するから、その敷居を下げようということでもある。野球人口の減少は、日米ともに悩みの種だ。日本においても、独立リーグとの更なる連携に留まらず、関係するすべてのひとが知恵を絞り、競技普及の最善策を実施する必要があるだろう。

 ■小林至(こばやし・いたる) 1968年1月30日生まれ。東大から1991年ドラフト8位で千葉ロッテに指名され入団。史上3人目の東大卒プロ野球選手となったが、1軍登板なく93年退団。その後、米コロンビア大で経営学修士号取得。02年から江戸川大学助教授。05年から14年までソフトバンク球団取締役を兼任。現在、江戸川大学教授、専門はスポーツ経営学。

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