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【小林至教授のスポーツ経営学講義】「令和プロ野球」成長のカギは外国資本!? 「平成」の転機となった野茂さんのMLB挑戦 (1/2ページ)

 昭和から平成になるときのことはよく覚えている。大学2年生だった私は、岩手県盛岡市にいた。東大野球部同期の現衆議院議員、階猛(しな・たけし)さんの実家に野球部の仲間数人で押し掛けて、スキーやら観光やらで数日間過ごし、東京に戻る日の朝、昭和天皇崩御の報に接した。

 夕方、東京に戻ると、道行く車はほとんどなく、ネオンは完全に消えていた。あの日より静かな東京の夜は以降、記憶にない。

 平成は第二の開国の時代だったと思う。情報通信技術の飛躍的な発達により、ボーダーレス化が進んだ結果、従来日本一がピラミッドの頂点と考えられていた多くのことが、グローバル・スタンダードという新たなものさしに照らし合わされることになった。

 野球界もそのひとつで、山の頂に巨人が君臨し、そこに戦いを挑むものも含め、みなが巨人を目標にしていた。

 この構図に風穴が空く契機となったのが、平成7年の野茂英雄さんのドジャーズ入りだった。以降、選手そしてファンの間に「その先にある世界」としてMLB(米大リーグ機構)が浸透していき、翻って、「日本一」とその象徴である「巨人」の価値を大きく損ねた。かつてプロ野球ビジネスの前提だった巨人戦の地上波全国中継を、昨今めったに目にしなくなったのも、その証左だろう。

 面白いのは、プロ野球の価値が必ずしも損なわれているわけではないことだ。平成になる頃、各球団の売り上げの総和は、私の推計だとセ400億円、パ100億円の計500億円くらいだが、いまは両リーグとも800億、合わせて1600億円程度。MLBが同じ期間に推計で1000億から1兆円と10倍以上になったことを踏まえるとかすんでしまうが、デフレ日本においてよくやっているといっていいだろう。

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