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【江尻良文の快説・怪説】広島“ダブルロス”の代償 丸&新井は巨人V9時代の長嶋&高田に匹敵

 セ・リーグ4連覇を狙う広島がいきなり最下位に低迷する大異変。自他共に認めるチームリーダーだった新井貴浩氏の現役引退と、「3番・センター」で攻守の要だった丸佳浩外野手の巨人FA移籍の“ダブルロス”が、改めてクローズアップされている。

 そんな中、V9時代の巨人の参謀、故・牧野茂氏との問答を思い出した。藤田元司監督、王貞治助監督、牧野ヘッドコーチという巨人トロイカ内閣時代の話だ。

 筆者が「川上監督ならではのV9達成といわれるが、ONコンビを軸に、柴田、土井、高田、黒江といった小技ができる名脇役もそろっていた。これだけ選手がいれば、誰が監督をやってもV5やV6くらい軽くできたでしょう」と聞いた瞬間、牧野氏は顔色を変え語気荒く反論した。

 「川上さんとわれわれコーチ陣が手を掛けなかった選手は、ミスター(長嶋)と高田の2人だけだ。この2人は天才と認める。しかし、王だって打撃コーチの荒川さんとマンツーマンで3、4年かかって一本足を完成させた。土井は大学時代ショートだったが、肩が弱くてプロでは通用しないからセカンドにコンバートした。川上監督でなければ、V9巨人はなかったんだ」

 川上監督とコーチ陣の適切な指導育成があったからこそというわけだが、逆に言えば、ミスタージャイアンツ長嶋茂雄、強肩俊足好打の3拍子そろった高田繁という“天才型”の2人が、チームを束ねていた。

 広島では、歴代の労組・日本プロ野球選手会会長の中でも評価が抜群に高く、チーム内外で誰もが一目置く新井氏と、2年連続セ・リーグMVPの丸が、余人をもって代え難い天才だったのだろう。となると、筆者の「広島4連覇」予想もお先真っ暗。新たな天才の台頭を願うしかないか。(江尻良文)

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