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【佐藤剛平 基本は忘れろ!!】腕は振るべきか、振らないべきか? 振るようにした方がいい

 【今週の質問】ある人は「腕やヘッドを振れ」というし、また別の人は「腕だけを振らずに体と同調させろ」と言います。一体どっちが正しいのでしょうか。

 プロや有名なレッスンプロが、こんなことを言っているのを雑誌などで読んだことがあるかもしれない。

 「手の動きはなくしてボディーターンだけでシンプルに打てば距離も出るし、方向性も安定する」

 体の部位の動きとそれぞれの組み合わせは無限にある。バラバラであるとショットは安定しない。そこで、手首や肘などの動きを抑えることでフェースの無駄な動きをなくし、体の回転のパワーを主体にして打てば、正確に遠くへ飛ばせるのだという(写真〔1〕〔2〕)。

 実際、私もそんな感じを意識している。グリップエンドがいつもヘソを向くようにして、体の回転とクラブを同調して動かすことで、いつも同じスイングができ、ミート率が上がるという感覚がある。

 ただ、これを誰もがやってうまく打てるかどうか。それは疑問と言わざるをえない。

 例えば一般のシニアにはとても窮屈なスイングになる。手首の動きをなくして、腕を棒のように使って打ったら、タイミングがうまくとれなくなったり、タメとからテコの原理とかいう要素も使えなくなって、まったく飛ばなくなってしまう人もいる。

 そういう人には逆に「体の回転よりも、手首や腕を柔らかく使って、クラブヘッドを振るように」というようなアドバイスの方が有効だ。意識を持った方がしっかりスイングできるようになる(〔3〕)。こっちの方がヘッドスピードを上げて距離を出しやすいだろう。

 実は私も最近は体の回転よりも腕の振りを重視している。あまりいい当たりが出なくて、調子が悪いのでよく考えてみると腕が振れていなかったと気がついて、腕を振るように気をつけたら調子が戻るということがあった。

 もちろん、パワーあふれる男性プレーヤーには「手を使うな」というアドバイスは有効だ。ここ一番で力んで左へのミスが出る長距離砲に、「右手の力を単独で使わないで、体の回転で振れ」といえば、たぶんうまく球筋をコントロールできるようになるだろう。

 要するに、手や腕の動きを完全になくしては打つことはできないし、動かし過ぎるとショットは安定感を欠くということになる。

 しかも、腕を振ろうと意識しているといずれ振り過ぎになり、抑えようとすると抑え過ぎになっていくので、調子がいい時期を過ぎると調子は悪くなっていくということになる。

 結局、人によって違うし、同じ人でも調子によっても違うということになるのだが、今、私は腕は振るようにした方がいいと思っている。

 ■佐藤剛平(さとう・ごうへい) 栃木県芳賀CC所属。レギュラーツアーで活躍後、2012年シニア「ISPSシニアマスターズ」優勝。19年グランドシニア「ゴルフパートナー・ヴィクトリアカップ」優勝。1955年10月25日生まれ。熊本県出身。関西学院大法学部卒。

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