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【TOKYO2020】開会式に見る東京五輪 明治神宮外苑、3度目の「歴史の舞台」に (1/3ページ)

 今年7月24日、東京五輪が開幕する。前回五輪から56年の年月を経て、新しい日本の歴史が幕を開ける。1964年の前回大会から今大会を展望する。

 7月24日、明治神宮外苑に建設された新国立競技場で東京五輪開会式が行われる。この地は1943年の学徒出陣、64年の前回五輪、そして今回と、歴史の舞台に3度目の登場となる。

 明治天皇崩御後に開園した明治神宮外苑は、明治天皇の業績をたたえる聖徳記念絵画館を中心とする洋風庭園だった。国民全体が競う大会が開催できる競技場建設が計画され、東洋一の3万人収容スタジアムが完成した。

 43年10月21日、明治神宮外苑競技場で関東地方77校の入隊学生7万人が集まり、出陣学徒壮行会が開催された。この年の4月18日、南太平洋のブーゲンビリア島で山本五十六連合艦隊司令長官が戦死、5月29日にはアッツ島で日本軍が初めての玉砕。戦局の悪化を多くの国民が感じ取るようになっていた。

 降りしきる冷たい秋雨のなか、陸軍戸山学校軍楽隊の「観兵式行進曲」の吹奏を合図に、白い校旗を先頭に制服制帽ゲートル巻き、三八式歩兵銃を担いだ東京帝大学生の一団がグラウンドに姿を現す。「武運長久を祈念する出陣学徒壮行会は、秋深し神宮外苑競技場において、雄々しくも、そしてまた猛くも展開されております」とNHKラジオのアナウンサーが実況した。一橋、慶応、早稲田、明治の列が順に続いた。

 東条英機首相が「諸君が悠久の大義に生きる、ただ一つの道なのであります」と訓示し、東京帝大文学部の江橋慎四郎さんが「生等もとより生還を帰せず」と答辞を読み上げると、会場からおえつが漏れた。スタンドには137校5万人の学生が見送りにきていた。後に作家となる杉本苑子氏もその一人だった。

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