記事詳細

【田所龍一 虎番疾風録 Vol.38】「選手とは正面を向いて取材するのよ」先輩女性記者からの金言 (1/2ページ)

 「野球班」に入った筆者は3月27日から始まる「第51回センバツ高校野球大会」の事前取材に向かった。

 “優勝候補”は西に集中していた。昭和53(1978)年夏の大会を制したPL学園(大阪)。“黒潮打線”の箕島(和歌山)。46回大会で「さわやかイレブン」で一世風靡(ふうび)した池田(徳島)。エース森浩二を擁する高知商(高知)。そして、水島新司の野球漫画「ドカベン」の愛称で呼ばれる香川伸行と牛島和彦のバッテリーで有名な浪商(大阪)…と取材場所はいくらでもあった。

 実はこの高校野球取材で初めての“師匠”を得た。東京サンケイスポーツで「アマ野球担当」を務めていた名取和美先輩である。東京でのアマ野球担当の仕事は奥深い。主は「東京六大学」をはじめとする大学野球。プロ野球の世界へ進む“金の卵”たちを高校生のときから追い続けているのだから、情報はプロ野球のスカウトから「金言」といわれる。

 甲子園球場の記者席で一緒になった。開会式での「国旗掲揚」のときである。座っていると「立って、歌いなさい!」と叱られた。「君が代」だけではない。大会歌「陽は舞いおどる甲子園」も「ララ毎日~」と大きな声を出して歌えという。そんなことをしているのは2人しかいない。恥ずかしかった。けれど、閉会式のときには、胸を張って歌えた。

 「選手とは正面を向いて取材するのよ」-名取先輩からもらった最高の言葉である。平成2(90)年、田淵ダイエーを担当していたときだ。オープン戦で東京へ行くと、球場に名取先輩がやってきた。

関連ニュース