【清水秀彦 そういうことだろ~】高校サッカーの技術レベルは高くなったが… 個性ある選手の育成が課題 (1/2ページ) 清水秀彦 そういうことだろ~
--11日の高校サッカー選手権決勝は、山梨学院が2-2からPK戦を制し、11大会ぶり2度目の優勝。今季公式戦全勝だった青森山田のMF安斎はPKを止められた瞬間、号泣していました
清水「あの場面が唯一、高校生らしかった。それまでは大人同士が試合をしている感じだったね。青森山田の生徒たちは追い込まれたことがないから、プレッシャーがかかった場面では涙が出ちゃうんだよ」
--ただ、高校サッカーの技術レベルの高さは十分に見せたのでは
「青森山田の方が一枚上かなとも思っていたけど、決勝の2校ならJ2やJ3のクラブと対戦したら十分勝てるよ。本当にみんなうまいもの。けど、このサッカーでは長くメシは食えないだろうね」
--と言いますと?
「例えば、いいタイミングでパスは出せるけど、意外性のあるパスは出せない。だから高卒でプロに入っても、突き抜けていく選手がいない。Jクラブも契約している余裕がないから2、3年でみんな消えちゃう」
--高校サッカーの育成の問題点はどこに
「強いチームをつくるうえで、正解というのはないと思うよ。でも今の強豪校はみんな200人以上も部員がいて、監督が『俺の言う通りにすれば勝てる』という戦術を落とし込む、いわば命令だよ。うまくて洗練されたプレーはするけど、個性がない」