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【一生働く!】就労編・働くシニアの環境(9) 高齢者就業促進へと方向転換した海外の事情 専門家「職業能力の損失を企業が懸念」 (1/2ページ)

 高齢化は世界共通の課題だ。特に欧米諸国はその進行が早く、各国、長年の間さまざまな対策を講じてきた。欧米主要国における高齢者就業について、これまでの政策と現在の状況などを見ていきたい。

 ■早期引退が推進された時代

 1970年代~90年代にかけ、ヨーロッパ諸国では高い失業率、とりわけ若年層の失業が問題になり、高齢者の労働市場からの早期引退を意図した政策が展開された。年金の支給年齢を早めるなどの政策により、労働供給量を減らし失業を減少させ、空席となった仕事に若年層が就くという若者の就業促進を図ったのである。

 このような政策を実行した代表国の1つであるフランスは、当時65歳であった公的年金の支給開始年齢を、83年までに60歳へと引き下げた。

 同じく65歳が公的年金の支給開始年齢であったドイツでは、72年に被保険者期間が長期(35年以上)などの条件が整えば、63歳からの減額なしの早期年金支給を可能にし、早期引退を推進した。

 77年に「高年齢者早期退職勧奨制度」を導入したイギリスでは、失業者に仕事を譲渡するために、高齢者に定額の手当てを支給し早期引退を促すという策を講じた。他方アメリカは公的年金支給開始年齢は65歳であったが、62歳からの早期受給を可能にした。

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