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【一生働く!】〈特別編〉「生涯現役の日」交流フォーラム 意見交換会・後編 「人生100年時代」には「定年がゴール」という意識変えることが重要

 「“生涯現役の日”交流フォーラム」の意見交換会報告の後編。「職業寿命」における「就労」がテーマだ。

 ■61歳の転職は失敗?

 前回の「雇用」に対し、「就労」は働く側の立場についてだ。まずシニアの就労では「働く価値観」の個人差が大きく、その多様性を現実の仕事にどうつなげるかが課題の一つとして上げられた。

 その意味で「満足度」がよい指標になり、独自の調査で「50代でアクションを起こした人のその後の満足度が高い」ことを指摘。

 さらに59歳での転職者は満足度が高く、61歳(定年後)での転職は多くが失敗していることもわかった。つまり、65歳までの雇用延長が常識化した今でも定年後の準備ができていない人が多く、「60歳」が大きな分岐点でその成否がその後の人生を左右するということだ。

 ■最後は「地域」が受け持つ

 60歳以降を長期的視点でみると、シニアの就労は「やりきった納得感」に乏しいのが実情のようだ。そこで提案するのが「地域の就労」。どんな人でも年を取れば身体は弱ってくる。「人生100年時代」とは、どんなに高齢化してもできる仕事(=地域密着)が用意され、納得感が得られるかどうかが問われるのだ。

 実例(千葉県柏市と東大との共同事業)でも、高齢者がグループを組んで子育てや農業支援の活動を行う取り組みが実績をあげている。そういった「仕事の切り出し」を自治体など公的な組織がシニアに対して用意することが、有効な手段になるのではないかと見る。シニアだけで構成する新会社をつくるなど「シニアの職務開発」も進めていくべきという。

 それに関連して重要なのは「定年がゴール」という意識を変えること。60歳を超えてからの仕事や、さらに高齢になっても社会に関われる地域活動などを現役時代から自律的に考え、離職や引退の時期を自ら決めるような意識と社会構造を根付かせることだ。

 そのために必要なのは事業者の存在。ボランティアにしろ地域活動にしろ、仕事の切り出しや賃金の確保を行う事業者が育たなくてはならない。

 それを担う人材や、スキルのマッチングをするコーディネーターなどの育成も、主に自治体が独自に予算を設けるなどで推進していくべきだとの提案だ。 (「オレンジ世代」取材班)

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