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【一生働く!】〈個人編〉追求し続ける(2) 透析・移植体験者だからできる看護「一時でも病気を忘れてもらえれば」 (1/2ページ)

 重い病を抱えながら、キャリア形成するのは容易ではない。大阪府の堺市立総合医療センターで慢性疾患専門看護師として働く田中順也さん(43)は、若くても病気とともに生きる中から“生涯現役”の仕事を得た一人だ。

 ■透析室で芽生えた夢

 田中さんは1977年、和歌山県の農家の次男に生まれた。生後から間も無くタンパク尿が認められたが、医師は「心配ない」と診断し、治療は行わなかった。

 腎臓は病気が進行しないと症状が表れにくい「沈黙の臓器」だ。田中さんに症状が現れたのは10歳の時だった。「視聴していたテレビ画面が揺れて、真っすぐ立てなくなった」。すぐに大阪の大学病院を訪ねると「逆流性腎症」と診断され、その5年後に透析治療を余儀なくされた。

 目の前の現実に戸惑う田中さんに声をかけたのは、1人の男性看護師だった。「透析は悪いことではない」と励ますその人もまた、透析を受けながら看護にあたっていたのだ。「彼の働く姿に憧れ、看護師を目指すようになった」

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