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【バフェットの次を行く投資術】「立派な理屈」が招く大惨事 (1/2ページ)

 『ノーベル賞経済学者の大罪』(ディアドラ・N・マクロスキー著、ちくま書房)という本がある。著者は「彼」から「彼女」になった第一線の経済学者である。「彼女」になるときに、実の妹さんと大いにもめた顛末(てんまつ)も随所で述べられている。もちろん、それが主題ではなく、著者が「黒板経済学」と呼ぶ、やたらに数式を振り回す「机上の空論」がどれほど経営者や投資家などを惑わしてきたのかについて述べた本である。

 私は、そのような人々を「机上のクウロニスト」と呼んでいるが、実のところ「立派な理屈が役に立つことはほとんどない」のが実情だ。へ理屈が上手な人々が、へ理屈で戦い「へ理屈王」の座を勝ち取ること自体は別に悪いことではない。しかし、それが「立派な理屈」だからといって、現実の経済や投資に適用するとしばしば大惨事を招く。

 数十年も前の話だが、某大手銀行(債券の発行が可能であったがもう消滅している)のトレーディングチームの投資リポートが素晴らしいと評判になっていた。しかしながら、同時にその銀行は、いつも損ばかりをしているダメトレーダーの集団としても有名であった。彼らがなぜダメトレーダーであったかといえば、理屈が完璧すぎるのでそれにこだわってしまい、「生き物」であるマーケットに柔軟に対応できなかったからだ。

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