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【田村秀男 お金は知っている】コロナ格差拡大の株高につきまとう不安 広がる実体経済と金融経済の乖離 (1/2ページ)

 中国武漢発新型コロナウイルス・パンデミック(世界的大流行)禍のもとで、繰り出される大型の財政支出と中央銀行による巨額の資金投入が株価など金融資産の相場を押し上げている。対照的に、肝心の実体経済回復速度は遅い。ワクチン接種が進んでも変異株感染不安のために人の足が元に戻りにくいためだ。

 このままだと金融資産を持たざる者の生活を支える実体経済と、持つ者をさらに豊かにする金融経済の乖離(かいり)が広がる一方だ。典型例が、実体、金融の双方で世界の資本主義の総本山である米国である。

 デジタル化で金融市場が異常なまでに膨張した現代資本主義では、金融経済と、国内総生産(GDP)で表される実体経済の間を双方向でつなぐのがカネのパイプである。金融経済を取り仕切る金融機関によって家計消費、生産設備や住宅投資など実体経済にカネが流れ込めばGDPも増加するが、経済危機時にはそんな資金循環パイプが詰まる。

 グラフは米国の家計金融資産とGDPの年間増減額のGDP比を、コロナ禍とリーマン・ショック後に分けて算出し比較した。基準時点はそれぞれ今年3月、2009年3月時点とした。

 2つの経済危機時に共通するのは積極的な財政出動と米連邦準備制度理事会(FRB)による大規模な量的金融緩和だが、いずれの規模もコロナ禍がリーマン時をはるかに上回る。

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