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それ、本当にブラック企業? 日本社会に誤って広がる「ホワイト企業信仰」が迎える末路 (1/7ページ)

 「ブラック企業」を厳密に定義するのは難しい。人それぞれの価値観によって捉え方も異なるためだ。一般的には「大量採用した若者を、過重労働とパワハラで使いつぶす」「違法行為を黙認し、私利私欲を追求する」というふうに、「悪意をもった卑劣な企業」として認識されている。

 また一般的にブラックだと認識されがちな業種として、「飲食・接客」「介護サービス」「不動産」「アパレル」「運輸・運送」などが挙げられる。いずれも労働集約的な面があり、激務の割に薄給で、離職者が多いといったイメージが共通しているようだ。

 「ブラック企業専門家」としての筆者が定義するブラック企業とは「順法意識がなく、アンフェアな競争で私利私欲を追求し、ステークホルダーに迷惑を掛ける悪質な企業」だ。

 ここでのキーワードは「アンフェア」。まともな企業であれば労働法を守り、極力残業させず、残業代も社会保険もキッチリ払ってまっとうな経営をするのだが、ブラック企業は法律を無視し、従業員を馬車馬のように働かせ、払うべきお金を払おうとしない。すなわち労働力を「安くコキ使う」ことができるので、その分商品やサービスをまともな企業より安く出せる。

 そうすれば「コスパ」重視の消費者に選ばれ、アンフェアなことをやっているのに競争に勝ててしまう。こうやって「悪貨が良貨を駆逐する」状態になってしまうと、まともな経営をしているまともな企業がばかを見ることになる。これでは世の中は良くならないし、誰も報われないことになってしまう。

ITmedia ビジネスオンライン

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