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【新・兜町INSIDE】金融課税はプラス材料? 高市氏の構想、証券業界歓迎

 自民党総裁選で存在感を増している高市早苗前総務相。個人の金融所得や企業の現預金への課税を掲げるが、証券業界では「仮に実現すればデメリットどころかメリットの方が大きい」(大手証券幹部)と受け止められている。

 高市氏は格差是正を狙い、個人の株式売却益や配当などの税率を現在の一律20%から30%へ引き上げるという。ただ、高市氏の構想では、増税対象は50万円以上の金融所得で、実際に増税になる投資家は少ない。国の税収増も1兆円を大幅に下回る見込みだ。

 一方、高市氏は企業がため込んだ現預金課税にも言及。麻生太郎副総理兼財務相ら自民党首脳陣も「企業のため込みすぎ」に批判的なだけに、誰が当選しても課税が実現する可能性がある。単年度利益への課税ではないため、1株当たり利益にも悪影響はない。

 資本金1億円以上の企業が抱える現預金は推計100兆円と日本の国家予算並み。1%課税で1兆円の税収増だ。課税を嫌う企業が設備投資や増配で現預金の取り崩しに走れば、株価には格好のプラス材料だ。野党の出る幕なしか。

 【2021年9月22日発行紙面から】

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