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【大前研一 大前研一のニュース時評】みずほシステム障害問題 元をたどると原因は“ITゼネコンの縄張り意識” (1/2ページ)

 金融庁は先月22日、システム障害が多発するみずほ銀行と持ち株会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)に対し、業務改善命令を出した。みずほが金融庁に提出しているシステム改修や保守点検計画について、再検証と見直しを求めたもの。

 みずほは新銀行発足時の2002年に大規模なシステム障害を起こし、2011年の東日本大震災直後にもATM(自動預払機)などが動かなくなる大規模障害を発生させた。そのときも金融庁は業務改善命令を出し、経営陣の責任問題に発展した。

 そこで4000億円超をかけて「MINORI」という新基幹システムに全面刷新して、一昨年に稼働させた。にもかかわらず、というか、それが新たな原因で、今年2月にATMがキャッシュカードや通帳を吸い込むトラブルがあり、以後、8カ月で7度にわたってシステム障害を起こした。

 この件について、私が学長を務める「ビジネス・ブレークスルー大学」の大学院生から「金融庁に問題解決ができる人材やスキルがあるとは思えない。不要な資料作りを命令して、むしろ現場は疲弊してしまうのではないか」という指摘があった。確かに現場は疲弊しきっている。

 みずほのシステム障害は、元をたどると3つの会社が自分のシステムにしがみついて、譲らなかったからだ。みずほは第一勧業銀行、日本興業銀行、富士銀行が合併した。三金会メンバーであった第一勧銀は当然、旧古河グループの流れをくむ富士通のシステムを使っていた。一方、興銀は日立製作所、富士は日本IBMだ。金融危機に襲われた1990年代半ば、「大きくて潰せない」という金融庁の方針で3銀行は合併したが、自行が作り上げてきたグループ会社との腐れ縁までは断ち切れなかった、ということだ。

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